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建物やから見た土地探し

― 建物屋が必ず確認する「暮らし」と「費用」のチェックポイント ―

湘南エリアで家づくりを考えるとき、
「ようやく理想の土地が見つかった」と思っても、
実際にプランに入ると 想定以上に見積総額が高くなる というケースは少なくありません。

楽しいはずの打ち合わせが、
いつの間にかコストカットの話ばかりになってしまう。
これは、土地選びの段階で 建物側の条件が十分に整理されていない ことが原因で起こります。

今回は、設計・施工を行う建物屋の立場から、
土地探しで後悔しないために必ず確認しているポイントをまとめました。


1|「総額」は土地代と建物代だけでは決まらない

一般的に家づくりの「総額」は、

・土地の購入費用
・建築工事費(本体)(外構)
・諸経費

で構成されます。

諸経費には、
仲介手数料、住宅ローン関連費用、登記費用、各種税金のほか、
印紙代、近隣挨拶、地鎮祭や上棟式の費用などが含まれます。

しかし実際には、
土地の立地条件によって、これらとは別に計算外の費用が発生することがあります。


2|用途地域によって「窓の仕様」とコストは大きく変わる

土地の用途地域や立地条件によっては、
防火地域・準防火地域の指定がかかる場合があります。

特に、
駅に近いエリアや幹線道路沿い、容積率が大きく3階建てなどが建てられる地域では、
この指定がかかるケースが多くなります。

この場合、
一般的な住宅地(防火指定のない地域)と比べて、
窓の仕様そのものが変わり、コストにもはっきり差が出ます。

たとえば同じサイズ・同じシリーズの窓であっても、

・防火・準防火地域では
 → 網入りガラスの指定
 → シャッター付きの指定
 → 開口部そのものが防火認定品に限定

といった条件が加わります。

デザイン面で
「網入りガラスはできれば使いたくない」という場合、
**透明な防火仕様(強化ガラスなど)**を選ぶことも可能ですが、
この場合、窓の価格が一気に倍近くになることも珍しくありません。

つまり、

・一般地域なら問題なく使える窓
・同じサイズ、同じシリーズの窓

であっても、
土地の場所が変わるだけで、仕様も価格もまったく別物になる
ということが起こります。

土地を見るときには、
「どんな家が建てられるか」だけでなく、
その地域で求められる窓や外皮の性能まで含めて確認することが重要です。


3|土地の高低差と段差処理は要注意

土地の高低差がある場合、
擁壁のやり替えや土留めブロックなど、
土木工事費が高額になるケースが多くあります。

また、

・道路から敷地への段差処理
・車庫や玄関までの階段新設
・スロープ計画

など、建物配置によって追加工事が必要になることもあります。

軟弱地盤でなくても、
建物と段差の関係が近い場合には地盤改良工事が必要になることもあり、
注意が必要です。


4|インフラ・埋設物・古屋付き物件の確認ポイント

土地によっては、

・下水桝の新設
・上水道の引き込み
・既存配管の位置変更

などが必要になる場合があります。

また、古屋付き物件では、

・地中埋設物の有無
・解体時の重機搬入による既存ブロックや擁壁の破損
・それらの修復費用

まで含めて確認しなければなりません。

これらは 契約後に判明すると大きな追加費用 につながるため、
事前確認が非常に重要です。


5|土地価格だけで判断しないことが、後悔しない近道

土地価格が安く見えても、

・防火・準防火指定による建築コストアップ
・窓や開口部仕様の変更
・土木・造成・段差処理費
・インフラ整備費
・解体・地中埋設物対応費

が重なると、
建築前にかなりの費用がかかるケースは決して少なくありません。

土地の購入金額は、
地盤調査・基礎工事前までにかかる可能性のある費用を含めて比較することが大切です。


まとめ|土地探しは「建てる前」が一番大事

土地探しは、
単に「安い・広い・駅に近い」だけで決めるものではありません。

建物屋の視点で
法規・窓の仕様・地盤・段差・インフラ・将来コストまで見通すことで、
家づくりは一気に現実的で安心なものになります。

土地購入を検討されている方は、
ぜひ一度、建物のプロの視点も取り入れてみてください。